HSC?敏感すぎる子どもの学校生活

楽しそうに登校しているように見えていた息子が学校に行けなくなって、あれこれ悩み、色々情報収集をしている頃、まさに息子そのものだ!という概念に出合いました。

それは、HSC(Highly Sensitive Child)というものです。
ここではHSCという概念と不登校との関係について考えてみたいと思います。

HSCってどんなもの?


HSCは日本語では「非常に敏感な子」と訳されていて、音や光など周囲の環境刺激による影響を受けやすかったり、他者の感情に敏感すぎて感情移入しすぎてしまったりするという特徴があるとされています。とにかくいろんなことに気づくので考えすぎてしまうというところもあります。

Elaine N. Aronという心理学者によって提唱された概念ですが、病気や障害というわけではなく気質であると考えられています。
気質なので治療する必要はないのですが、生きづらさにつながるところはあります。
医学的な根拠や学術的な根拠という点ではまだ十分に示されているわけではないようですが、この概念を知った時、幼少期からの息子の姿が線のように繋がる感覚を覚えました。

まず思い出したのは赤ちゃん時代にすぐ起きる子だったということです。
寝かしつけながら一緒に寝てしまうことが多かったのですが、夜中や朝方に目覚めて私だけがベッドから抜け出すと30分もしないうちに起き出してしまっていました。
きっとちょっとした空気感を察してしまっていたのでしょうね。

物心がついてからは人一倍空気を読む子で、大人から見ると育てやすい子どもでした。
色々なことに気づき、先読みして行動するので、周りから怒られるようなことや失敗するようなことも多くはなかったと思います。
「お友達や先生のことをよく見ていて細かいことにも気づいて教えてくれる」と言われることが多く、私は誇らしく思っていたぐらいです。
けれどもそれは息子が無意識のうちではあったとしてもピンとはった緊張感の中で振る舞いを重ねてきた結果だったのでしょう。

その他、納得して行動するまでに時間がかかる、勝てる勝負しか挑まないといった姿を見せることも少なくありませんでした。
当時「ちょっとわがままだよ」という一言で済ませていましたが、頭の中でシミュレーションを繰り返し、「できる!」と確信してから動き出していたのだと考えると納得でした。

学校がなぜしんどいの?

小学校に入学して以来、やらなければならないことは当然それまでよりも多くなりますし、不安や緊張感は増していたのだと思います。
でも明らかに無理というわけではなく、それなりにこなせていたので、私は気づかずに「がんばればできるよ!」と安易な声かけをしていたのかもしれません。
基本的に真面目な性格もあり、手を抜くことができないので、周りの人たちの求めるように振る舞おうとしすぎてしまったところもあるでしょう。

また、息子に付き添って学校に通う機会が増えて感じたのは、学校という場所はとても賑やかだということでした。
子どもたちの声も先生方の声も大きく感じ、それ以外にもいろんな音刺激の絶えないところだと感じました。
息子は自分が叱られているのではなくても、周りのお友達が先生に叱られている様子を見るだけで疲れたり、代わりに「あんな言い方をしなくてもいいじゃないか」と腹を立てていたりしました。
お友達とコミュニケーションをとる時も、「こんなことを言ったら○○ちゃんはこう思うかもしれないから言わない方がいいかもしれないし…」などとぐるぐる回っているうちに、自分の中に色々溜め込んでしまっていました。
そんな様子を見て、息子が入学以来、学校生活の中で疲れを溜めてきた一因が少しわかったような気がしました。

かといって、学校に刺激の少ない環境にしてくださいという注文をするのも無理な話なので、疲れてしまうということに共感を示すことと、家ではできるだけ安心できるようにするということを心がけることにしました。
とはいえ、とにかく敏感なので、こちらの顔色や表情、空気などの変化を察してしまうのですけれども…。
ともかく、そのように敏感なところがある子どもなんだと知ると、接し方も変わります。

一説によると、5人に1人の割合だとも言われますから、すぐそばにこのような気質をもったお子さんがおられる可能性はありますし、自分自身がそうかもしれません。
多数派に合わせた環境づくりをするのは学校に限らず、世の自然なことですが、これだけの割合でこのような気質の子どもがいるのだと知ると、家や学校といった環境を考える上で留意することが変わってくるように思います。

HSCの特性を持った子どもの将来は?

息子にそういった特性があるのではないかと考えるようになってから、私自身にもそのような特性があることにも気づきました。
他の人の感情を考えすぎてしまって辛くなってしまったり、空気や気圧の変化に敏感だったり、あれこれ考えすぎてはまり込んでしまったり…といったこともそれが原因だったのかもしれないと思いました。

私自身も小学校時代は学校の空気感が苦手であまり楽しめませんでしたが、中学校、高校と上がっていく中で自分に合った環境を選び、職業を選び… ということができると、うまく刺激を取捨選択することができるようになってきました。
人と触れ合う時間が多すぎるととても疲れてしまうので、1人の空間にこもってクールダウンすることもあります。
もちろん避けきれないこともあるのですが、刺激過多だと思ったら自分で敢えてスイッチを切るというスキルも身につきました。
これは意識的に身についたのではなく、無意識のうちに自己防衛のために身についたのではないかと思います。
「みんな我慢しながら学校に行っているのに、それに耐えられないと大人になってからが心配じゃない?」とクラスメイトのお母様に言われたこともあるのですが、個人的には子どもの頃の方が選択肢が少なくて、大きくなるにつれて環境の選択肢は増えると思っています。

もちろんHSCだから不登校という単純な話でもありませんし、もしそうであったとしてもなかったとしてもはっきりした対処法があるというわけではありません。
でも私の経験も息子に伝えていきながら、より彼に合った環境探しを手伝うことができればと思っています。

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